前の成功を告げると同時に、絶後の失敗に終ったという、奇々怪々な精神科学の学理原則の活躍が、明々、歴々と判明して来る。同時に現代文化の粋を極めた常識とか、学識とかいうものが、一挙に木《こ》ッ葉微塵《ぱみじん》となって、あとには空《から》っぽの頭蓋骨だけが、累々《るいるい》として残る事になる……という訳なんだが……。
……ところで……エート。ここいらでチョット失敬して、消えた葉巻に火をつけるかな。……実は大好物でね。どんなに貧乏生活をしている時でも、コイツとアルコール分だけは座右に欠かさなかったものだが……もはや死ぬまでに何本というところまで漕ぎ付けたんだから、一つ勘弁して頂きたい。ハハハハ……。
お待ち遠さま……サテ然るにだ……吾輩の極楽行きの直接原因を生んだ彼《か》の「狂人解放治療場」を見た人々は、誰でも狂人の散歩場ぐらいにしか思っていないようである。中には新聞の記事なぞを読んで「ハハア成る程」なぞと首肯《うなず》く者が居るかと思うと、すぐにあとから「いかにもねえ。こうしておけば狂人も昂奮しませんね」とか「ハハア。一種の光線治療ですね」なぞと、知ったか振りを云うくらいの事で、誰一
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