なっている稀代の美少年と、絶世の美少女との変態性慾に関する破天荒の怪実験が、ドンナ学理の原則に支配されて、ドンナ風に緊張し、白熱化しつつ、実験者たる吾輩の全生涯を粉砕すべく爆発しかけて来たかという、その自然発火の裏面のカラクリが、次第次第に手に取る如く判明して来るんだから……。
話はすこし以前《まえ》にさかのぼる。
今年の十月の何日であったかに、福岡の某新聞の学術欄で、吾輩の「脳髄は物を考える処に非《あら》ず」という意味の談話が連載された時の、世論の反響のドエラサには正直のところタジタジと来たね。「人間という動物は自惚《うぬぼ》れと迷信で固まっているものだ」ぐらいの事はウスウス知っていないではなかったが、それにしてもコンナまで篦棒《べらぼう》なものであろうとは、この時がこの時まで気が付かなかった。彼等、すなわち常識屋は、新聞に、雑誌に、念入りなのは書信に、もっと御念入りなのは吾輩に直接面会などいう、ありとあらゆる手段を以て、吾輩の放言をタタキ潰すべく試みた。殊に肝《きも》を潰すべきは、研究の自由をモットーとしているこの大学の中で、お上品な顔をして、アゴを撫でたり、ヒゲを捻《ひね》
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