はどこに在る』……『吾々はドウして生きている』というのか……。
 ……ナアンダ……。
 チットモ可笑しい問題ではないではないか。不思議でもなければ奇抜でもない。極めて平々凡々の問題ではないか。

 ……パンツの泥を払え。
 ……シャッポを冠り直せ。
 ……クラバアツを正して聞け……。

 吾々の精神……もしくは生命意識はドコにも無い。吾々の全身の到る処に満ち満ちているのだ。脳髄を持たない下等動物とオンナジ事なんだ。
 お尻を抓《つ》ねればお尻が痛いのだ。お腹が空《す》くとお腹が空くのだ。
 頗《すこぶ》る簡単明瞭なんだ。
 しかしこれだけでは、あんまり簡単明瞭過ぎて、わかり難《にく》いかも知れないから、今すこし砕いて説明すると、吾々が常住不断に意識しているところのアラユル慾望、感情、意志、記憶、判断、信念なぞいうものの一切合財は、吾々の全身三十兆の細胞の一粒一粒|毎《ごと》に、絶対の平等さで、おんなじように籠《こ》もっているのだ。そうして脳髄は、その全身の細胞の一粒一粒の意識の内容を、全身の細胞の一粒一粒|毎《ごと》に洩れなく反射交感する仲介の機能だけを受持っている細胞の一団に過ぎない
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