┌や(やか、やく、やかし)
│(が)┤
└ └よふ
┌ふ(はし)
たゝ┤
└よふ(はし、はす)
┌づ
│┌ぬ
│┤
い ┤└(ゆ)く(ありくはあい〈ゆ〉くなり、あるくはあゆく也、あゆむのゆむ如何)
└る
┌か(―し)
おろ┤┌おろ
│┤
||└└おぼえ
||┌つく
うろ┤たへる
│┌が来る(大阪語)
│┤
└└おぼえ
┌ふ
│(そ)ぐ(かし、かはし、かす)
(いすゝ)│(そ)し(しむ)
いす ┤(そ)はく
|| │すぐ
|| │(そ)ばふ(<いそぶ?)
|| └ろこふ(<いそろぐ?)(大殿祭祝詞 神たちのいすろこひあれびまさを云々)
|| ┌く(かし、くる)
そゝ ┤
└のかす(<のく)
┌┌む
すゝ┤┤
│└(さ)む(まし)
└ろ(漫)
┌く
│もつ┐
│ ├(<む)
┌┤もる┘
(ご) ││めく
うぐ ┤└なふ(はる 集伝 大祓祝詞其他)
むく │┌と
(もこ)││つく(けし)
└┤めく
│む
│むくし
└(もこ)よふ
┌(ば)る
あぶ┤
└る
┌なふ
うづ┤
└なし
┌た――<とをゝ
わゝ┤┌く
│┤
└└ら(らば)
[#ここで字下げ終わり]
むつ、さぐ、あふ、しづ、うる、かぐ、たゝ、いす(いすゝ、すゝ)、うぐ(むく、もこ)、あぶ、うづ、わゝ、の如き名詞ともつかず動詞ともつかず、八品詞のうちでは先づ感嘆詞に近い体言とみるべき語根が其まゝ又は種々の接尾語の連続によつて動詞とも形容詞とも副詞とも又名詞ともなるので、かういふところから(動詞の終止言がう[#「う」に傍線]の韻でをはつてる事が共通語根のをはりに多くuをみいだすのに似て居る)、
[#ここから2字下げ]
┌ ┌す(将然か音転か)
│(や)┤
│ └む
なゆ┤┌む
│┤(よ)ぶ
└└(よ)る なよるは馴寄也といふはなゆ・る[#「なゆ・る」に傍線]と説くに如かず
(ぶ)┌す
のぼ ┤
└る
┌む
かく┤す(<さふ)
│(こ)ふ
└る
(ぐ)┌む
なご ┤
└る
[#ここで字下げ終わり]
のなゆ、のぶ、かく、なぐ、の如き終止言が体言となつて接尾語をうけたものらしく思はれる。これらが体言的のあつかひをうけるべきことは前にものべたが、なほ肩ぐ、あぎとふ、あきなふ、時めく(心ときめくのとき[#「とき」に傍線]は今は濁つてどきつく[#「どきつく」に傍線]などゝいうてゐる。此処の時は其とは違うて時を得る、ときめく等の時である)、はらむ、香ぐなどゝいふに徴して明かであらう。
連体段について述べるつもりが意外にわき路へ這入りこんでしまうたが、ひつくるめていふと、連体言に他の接尾語を加へて、用言とするといふことは疑はしい。ただ形容詞の連体言についてはわが師は之を認めて居られるけれど、よくあり、あしくありと連用言からあり[#「あり」に傍線]を受けたものと考へる方がどうもまさつてる様に思ふ。なる程あり[#「あり」に傍線]、す[#「す」に傍線]、う[#「う」に傍線]といふ様な語がい[#「い」に傍線]母音に関係のふかい段につゞくといふことはわかつて居るけれど、これを拡張してよきあり、あしきありと説くことはさかしだてする様ではあるけれど師説ながら服しがたい。
あり[#「あり」に傍線]、う[#「う」に傍線]、す[#「す」に傍線]、む[#「む」に傍線]の複合即ち今日でも稍その語源の意を認められる接尾語の外にも単綴のものでは、く、つ、ぬ、ふ、む、ゆがある。ゆ[#「ゆ」に傍線]とむ[#「む」に傍線]とは語源のおもかげをおぼろげにみることが出来るが、く[#「く」に傍線]、つ[#「つ」に傍線]、ぬ[#「ぬ」に傍線]、ふ[#「ふ」に傍線]については今日のところでは音義をとくほかはない。はたして複合のために用ゐる動詞があり[#「あり」に傍線]・う[#「う」に傍線]、す[#「す」に傍線]、む[#「む」に傍線]ばかりであるとはどうもいへない様に思ふ。況やずつとはじめにならべておいた諸種の接尾語もゝとはそれ/″\やはり独立の用言であつたと考へられるにおいてをやといはねばならぬ。
つまるところ用言の語根は古くはい[#「い」に傍線]母音でをはるものではなうて、う[#「う」に傍線]母音でをはる語であつたのが、終止段が此に似てをるから、そこで語根となることがあるので、そのう[#「う」に傍線]母音でをはつてゐる語根といふのはまへにいうた通り動詞でもないまた名詞でもないが、また動詞にも名詞にも融通して用ゐられる語で、形式の上からいへばまづ体言とでもな
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