がある)
種《クサ》・はひ[#「ひ」に二重丸傍点](ちぐさ、くさ/″\)
味・はふ
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等のはふ[#「はふ」に傍線]
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ちり・ぼふ よろ・ぼふ き・ほふ
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等のほふ[#「ほふ」に傍線]
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たゞ・し(正といふ名詞は動詞にたづぬ[#「たづぬ」に傍線]があることから思ふとたづ[#「たづ」に傍線]といふ語があつて、恐らくはその名詞法なのであらう。それにし[#「し」に傍線]〈しく形〉がついたのである)
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ひさ・し(見ずひさに、ひさにふる) これ・しき[#「き」に二重丸傍点](これしきもの)
もの・し もの/\・し おほやけ/\・し
女・し おとな・し われ/\・しき[#「き」に二重丸傍点](我々しき分際)
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こまいぬ・しく[#「く」に二重丸傍点](狛犬らしくである。枕草子に二ヶ所見えて居る。但し関根先生は狛犬獅子也といはれたけれど、なほ次のくま/\しくなどからみると狛犬しくであらう)
くま/\・しく(きはやかならぬこと。夕顔に、こゝかしこのくま/\しくおぼえ給ふにものゝあしおとひし/\とふみならしつゝ)
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等のし[#「し」に傍線]
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なが・らふ(ながるの延と称せられるながらふ[#「ながらふ」に傍線]ではない)
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等のらふ[#「らふ」に傍線]
その外
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めく(とき・めく、うご・めく)
つく(がさ・つく、うろ・つく、そは・つく)
がる(まろ・がる、くら・がる、ひろ・がる)
がる(いやがる、かなしがる)
かふ く(ぐ) す(ず) つ(づ)
ぬ む ふ(ぶ) ゆ る う(得)
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等の接尾語がついて動詞をつくるのはどう説明するのか。
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(二)[#「(二)」は縦中横] かれ・す つき・す しに・す
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などのかれ[#「かれ」に傍線]、つき[#「つき」に傍線]、しに[#「しに」に傍線]は動詞の連用名詞法でなうて何であるか。
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
(三)[#「(三)」は縦中横] 料理がれうる[#「れうる」に傍線]、装束がしやうぞく[#「しやうぞく」に傍線]と動詞になり、おはもじ(はづかしいこと)、ひもじが、おはもじい、ひもじいと形容詞になるのはどういふものか。
(四)[#「(四)」は縦中横] わかやか やはらか すみやか などと、
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わかやぐ やはらぐ すみやく などゝは、どちらが前に出来たかなどゝいふ事は別として、やはらかのら[#「ら」に傍線](か)、わかやかのや[#「や」に傍線]は何のためについてゐるのかといふことについて詳細の説明がきゝたい。
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注意
や[#「や」に傍線]、ら[#「ら」に傍線]、か[#「か」に傍線]の説明を求めるにあたつて、自分の立脚地から見たや[#「や」に傍線]、ら[#「ら」に傍線]、か[#「か」に傍線]の説明をしておく必要を感ずる。
やはらか[#「やはらか」に傍線]のら[#「ら」に傍線]、わかやか[#「わかやか」に傍線]のや[#「や」に傍線]、ほこりか[#「ほこりか」に傍線]のか[#「か」に傍線]、あてはか[#「あてはか」に傍線]のは[#「は」に傍線]等は、名詞をつくる接尾語だと考へる。
やは[#「やは」に傍線]、わか[#「わか」に傍線]、ほこり[#「ほこり」に傍線]、あて[#「あて」に傍線]などにはすでに体言的の意はあるのだけれども、完全な体言とはなりをふせぬから、ら[#「ら」に傍線]なり、や[#「や」に傍線]なり、か[#「か」に傍線]なり、は[#「は」に傍線]なりをつけてその体言的の意をやゝ完全にして、名詞になり、形容詞になり、副詞になり用ゐたものとおもはれる。そして尚いふと、単にや[#「や」に傍線]、ら[#「ら」に傍線]、か[#「か」に傍線]、は[#「は」に傍線]といふ単純な外部から添加した語ではなく、もと/\活用のあつた語の将然言であらうと思ふ。これについてはなほ後にいふ所があらう。
古事記上巻の須勢理媛の歌に※[#歌記号、1−3−28]あやかきの布波夜賀斯多尓、むしふすま尓古夜賀斯多尓、たくぶすま佐夜具賀斯多尓 とあるそのふはや[#「ふはや」に傍線]、にこや[#「にこや」に傍線]は今でいふとふはやか[#「ふはやか」に傍線]とか、ふは/\した[#「ふは/\した」に傍線]とか、
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