したのだと称して風水見《フウシイミ》([#ここから割り注]墓相・家相・村落様式等を相する人、主に久米村から出る[#ここで割り注終わり])の様な事を言うて、沢山の金を費させる。先祖の墓を云々したり魂《マブイ》を預つて居る様な所は、根神《ネガミ》の為事のある部分が游離して来たものらしい気がする。全体、琉球神道には、こんなゆた[#「ゆた」に傍線]の際限なく現れるはずの理由がある。其は、神人に聯絡した問題である。
広い意味では、のろ[#「のろ」に傍線]・根神[#「根神」に傍線]までも込めて神人《カミンチユ》といふが、普通は、村の女の中、択ばれてのろ[#「のろ」に傍線]の下で、神事に与る者を言ふ様である。殆どすべてが女で、男では根人《ネビト》、並びに世話役とも言ふべき勢頭《シヅ》を二三人、加へるだけである。神人になるのは、世襲の処と、ある試験を経てなる地方との二つあるのである。発生から言ふと、後の方が却つて、古い風らしい。大体母から娘へと言ふ風に、神人を襲《つ》ぐ様である。だから、神秘の行事は、不文のまゝ、村の神人から神人に伝はる。夫や子ですらも、自分の妻なり母が神人として、どう言ふ為事をして居
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