ゃげ」に傍線]庭《ナア》と言ふ建て物の外の広場でゞある。又、唯あしゃげ[#「あしゃげ」に傍線]とばかり言ふ建て物がある。此は、根所々々の先祖を祀つてゐる建て物で、一軒建ちの、住宅と殆ど違ひのない、床もかいてある物である。此は正しくは、殿と言ふべきもので、根所之殿・里主所之殿など、書物にあるのが、其であらう。
殿《トノ》(又、とん)と言ふのにも、色々ある。右のやうな殿もあり、又、祝女殿内《ノロドンチ》(ぬるどのち=ぬんどんち)の様に、祝女の住宅を斥《サ》す事もある。が、畢竟、神を斎いてあるからの名で、なみの住宅には、殿とは言はぬ。琉球神道では、旧跡を重んじて、城趾・旧宅地などの歴史的の関係ある処には、必殿を建てゝ、祭日にのろ[#「のろ」に傍線]以下の神人の巡遊には、立ちよつて一々儀式がある。
殿[#「殿」に傍線]・あしゃげ[#「あしゃげ」に傍線]と区別のない建て物か、又建て物なしに必拝む場処がある。其が海中である事も、道傍の塚である事も、崖の窟《ガマ》である事もある。総称してをがん[#「をがん」に傍線]といふ。拝所即をがみ[#「をがみ」に傍線]である。
人形遣ひをちょんだらあ[#「ちょん
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