お―の―かんけ[#「ぢぞお―の―かんけ」に傍線]・かたくま[#「かたくま」に傍線]・ちゝくま[#「ちゝくま」に傍線] 負ひ方擁き方の名を蒐めたい。大阪辺では、子供を脊負ひ帯で負ふのをぜんじやくにおう[#「ぜんじやくにおう」に傍線]と言ふ。たまにはれんじやく[#「れんじやく」に傍線]と言ふ人もあるから、連尺に見立てたのだ、と言ふことは疑ひもない。但此場合、胸の方はやはり、帯が十文字に交叉してゐる。後向けに負うて、脊と脊との合うてゐるのをぢぞおのかんけ[#「ぢぞおのかんけ」に傍線](け、清音)と言ふ。地蔵の勧化なることは明らかである。「地蔵のかんけ[#「かんけ」に傍線](くわん[#「くわん」に傍線]とは言はぬ)」と節をつけて、子どもどうし負うて、遊んだことを覚えてゐる。肩車をかたくま[#「かたくま」に傍線]と言ふ事は、手習鑑以来変らぬが、多くはちゝくま[#「ちゝくま」に傍線]と言ふ。
○たしむ[#「たしむ」に傍線]・たしなむ[#「たしなむ」に傍線] たしむ[#「たしむ」に傍線]とたしなむ[#「たしなむ」に傍線]とは、如何にも関係の深かりさうな語である。蕪村の「蓼の穂をま壺に蔵す法師かな」が
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