めたい。
○つろく[#「つろく」に傍線] 東京・大阪の間を往来する者にとつては、東京と大阪とでは、すつかり語が違つてゐよう、と考へてゐた漠然たる予期が、思ひがけない語に会うて、其が外れて行くのに、驚くことが度々です。無機的な名詞の同・不同に就ては、さのみ意も牽かれぬが、動詞・副詞の同じものゝ多いのには、全く驚きます。相応・つりあひ・適当などの意のつろく[#「つろく」に傍線]といふ語、此も「身代につろく[#「つろく」に傍線]せぬおごり」或は「からだにつろく[#「つろく」に傍線]した着物」など言ひます。又、前のぼろい[#「ぼろい」に傍線]も、実は東京にも、下町辺の語の荒い人々の間には行はれてゐます。
○よど[#「よど」に傍線]・いたじきばらひ[#「いたじきばらひ」に傍線] 日向児湯郡|三《ミ》納辺で宵祭《ヨミヤ》をよど[#「よど」に傍線]、祭りの翌日を、いたじきばらひ[#「いたじきばらひ」に傍線]と言ふ。前のをけあらひ[#「をけあらひ」に傍線]と、成り立ちが似てゐる。
○ぜんじやく―に―おう[#「ぜんじやく―に―おう」に傍線]・れんじやく―に―おう[#「れんじやく―に―おう」に傍線]・ぢぞ
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