い変化の及びにくい固有名詞の上に見られる事の多いのは、当然である。而も其間に、其以外のものにも残つてゐるものゝ見つけられる、今までの例のやうなものも、時としては、語序が逆になつてゐても、其は当然あるべき普通のことのやうに思つて来たことであつた。

     七 人名について

[#ここから2字下げ]
新羅媛善妙《シラギヒメゼンメウ》
百済媛妙光

中臣[#(ノ)]金[#(ノ)]連
中臣[#(ノ)]鎌子[#(ノ)]連(又、中臣[#(ノ)]鎌足[#(ノ)]連)

蘇我[#(ノ)]稲目[#(ノ)]宿禰
蘇我[#(ノ)]馬子[#(ノ)]宿禰
蘇我[#(ノ)]蝦夷[#(ノ)]宿禰
蘇我[#(ノ)]赤兄[#(ノ)]臣
蘇我[#(ノ)]倉麻呂[#(ノ)]臣

物部[#(ノ)]目[#(ノ)]連
物部[#(ノ)]尾輿[#(ノ)]大連
物部[#(ノ)]弓削[#(ノ)]守屋[#(ノ)]大連

大伴[#(ノ)]談《カタリ》[#(ノ)]連
大伴[#(ノ)]金村《カナムラ》[#(ノ)]大連
大伴[#(ノ)]長徳[#(ノ)]連
[#ここで字下げ終わり]

この日本紀の人名排列は、一見正逆の語序をまじへたものゝ様に見
前へ 次へ
全61ページ中18ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
折口 信夫 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング