」に傍線]の離婚の物語にも、言ふ事が出来る。見るなと言はれたのに、見られると、八つ雷《イカヅチ》(雷は古代の考へ方によれば蛇である)が死骸に群つて居た。其を見て遁げ出した夫を執《シフ》ねく追跡したと言ふのも、ひなが媛[#「ひなが媛」に傍線]の話と、ちつとも違うてゐないではないか。死骸を見露して恥を与へたとて、怒つたとするのは、やはり後の説明なのであつた。
此等の話に爬虫が絡つてゐるのは、訣のある事である。異族の村の生活を規定する信仰の当体を、庶物の上に考へたからである。更に其上に、長虫を厭ふ心持ちの影を落したのは、異族の生活を苦々しく眺めがちの心持ちから来たものなのではあるまいか。
後々には、一つ先祖から出た血つゞきの物と見、又祖先の姿を其物にうつして考へ、更に神とまでも向上させる様になつたとも思はれるが、もつとうぶな[#「うぶな」に傍点]形の信仰が、上の物語の陰に見えるではないか。
たとひ、我が古代にとうてむ[#「とうてむ」に傍線]を持つた村々が、此国土の上になかつたとしても、其更に以前の故土の生活に於て、さうした生活原理を持たなかつたとは言へない様である。神の存在を香炉に飜訳して示
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