す様になつたよりも以前の、こんじん[#「こんじん」に傍線]の形を考へて見れば、其が、儒艮であり、豚・海亀・鮪・犬であつたかも知れないのである。さなくとも、異族の村から妻の将来した信仰物が、女でなくては事へられぬ客神(まらうどがみ)として、今も残つて居るだけの説明はつく。
とうてみずむ[#「とうてみずむ」に傍線]と、外婚とを聯絡させて考へてゐるふれいざあ[#「ふれいざあ」に傍線]教授は、奪掠せられて異族の村に来た女が、きまつた数だけの子どもを生めば、村から逐ひ出される例を挙げて居る。「外婚」のなごりとして、「つま別れ」の哀話が限りなく発展して来た訣は此点から考へられさうである。
とうてみずむ[#「とうてみずむ」に傍線]の対象は、動物に限らない。植物も、鉱物も、空気も、風も、光線も、それ/″\の村の生活を規定するものとして、信仰生活の第一歩を踏み出させたものである。私は此まで祖先としての考へと、とうてむ[#「とうてむ」に傍線]とを別々にして来た。我が国にもある植物や、鉱物が、人間と結婚して子を生んだと言ふ様な話を、即座にとうてみずむ[#「とうてみずむ」に傍線]の痕跡と見て了ひたくなかつた為
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