の話に現れた、死人の命を肉親のからだに生かして置かうとする考へと、今一つ、神及び村の人々が共に犠牲を喰ふと言ふ伝承とを結び付けて見て、気のつく事はかうである。
動物祖先を言はぬ津堅の島にも、曾ては儒艮《ザン》に特殊な親しみを持つて居たらしい。其が段々に、一つ先祖から岐れ出て、海獣で先祖の儘の姿で居るといつた骨肉感を抱く様になり、祖先神の祭りに右の人魚を犠牲にして、神と村人との相嘗《アヒナメ》に供へたものであらう。
さう言へば、黒犬の子孫だと悪口せられる宮古島にも、八重山人などに言はせると、犬の御嶽があつて、祖先神として敬うてゐるなどゝ言ふ噂もする。
かうした事実や、考へ方が、当の島々には行はれて居ないかも知れない。だが尠くとも、さうした噂をする、他の島々・地方(ぢかた)の人々の見方には、その由来するところの根が、却つて其人々の心にもあるのである。めい/\の村の古代生活に、引き当てゝ考へてゐるに過ぎないのだ。これを直様、とうてみずむ[#「とうてみずむ」に傍線]のなごりと見なくてもよい。が、話の序に少し、此方面にも、探りだけは入れて置かう。
八
一体、沖縄の島々は、日本民族の
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