ふ、建築の名人の名を神に代入したのである。此神がえびす神[#「えびす神」に傍線]になつてゐる中部東岸の村の信仰は、其神の性格と名称との変化を、最自然に伝へたもので、此神に対する京都辺での平安末からの理会でも、えびす神[#「えびす神」に傍線]と言ふ事になつて来てゐる。
かうした変化の色々な段階を見せたのは、村々の伝承が、一つの標準を模倣して来ながら、又村の個性を守り、其為に局部の改造が行はれて行き又、尊重する部分が村によつて違うて来る為、廃続の様子がめい/\変つて来たからである。年中行事なども家々村々によつて、壱岐移住後の変化も、明らかに見られる。触《フレ》が違ひ、村が替ると、細かい約束が非常に違つて来る。
方言などは、其村々の本貫を示してゐる傾向が著しいが、音価の動揺・音勢点の相違・音韻の放恣な離合・発声位置の不同などから、表面非常な相違があつても、実は根元一つと見えるものも多い。単語の相違は固より多いが、此は流人の影響が非常にある。
又、音韻矯正・中央語採用などが、村々別々に行はれてゐる。此も勘定に入れてかゝらねばならぬ。殊に、蜑村の語は、島人にも訣らぬと謂はれてゐるが、単語の相違よ
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