本」鷺の首をしめようとすると。末」ところが又むやみに長くつて
(あかゞり踏むな。後なる子。我も目はあり。先なる子)
本」踵のあかぎれを踏んでは困る。うしろの人間よ。末」言ふな。おれだつて、目がついてるぞ。先に行く奴め。
(舎人こそう。しりこそう。われもこそう。しりこそう)
本」若い衆来い。ついて来い。末」手前も来い。ついて来い。
(あちの山。せ山。せ山のあちのせ)
本」向うの山だから、其で背山だ。末」背山でさうして、向うのせ山。
(近衛のみかどに、巾子《コジ》おといつ。髪の根のなければ)
本」陽明門の前で、冠の巾子をぽろりと落した。末」為方がないぢやないか。髪のもとゞりがないから。
(をみな子の才《ザエ》は、霜月・師走のかいこぼち)
本」そんなら問はう。婦人の六芸に達したと言ふのは。末」十一、十二月に、少々降る雨雪で、役にも立たぬ。
(あふりどや。ひはりど。ひはりどや、あふり戸)
本」ばた/\開く戸。(其も困るが)つつぱつてあかぬ 末」(此奴も困り者だ)。つつぱり戸に、ばた/″\戸。
(ゆすりあげよ。そゝりあげ。そゝりあげよ。ゆすりあげ)
本」戸ならばゆすつてあげろ。しやくつてあげろ。
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