烙)わったら元の土」などゝ、小学生仲間から、始終なぶられてゐた。
由緒を誇る雲雀《ヒバル》(「折口といふ名字」参照)も、一歩木津の地を出ると、気恥しいと見えて、中学へ行つた一人は、うんじゃく[#「うんじゃく」に傍線]と音読をしてゐた。道木《ドオキ》の方も、重箱訓みを恥ぢて、みちき[#「みちき」に傍線]と言うてゐた。
一四 人なぶり
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はげ八聯隊、横はげ(又、単に横)四聯隊。
はげ山鉄道(てつと)道、汽車すべる。
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散文的な文句だが、音勢を揺ぶる様に強く謡うて、くやしがらせる。又みっちゃ[#「みっちゃ」に傍線]面(あばた)には、
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へんば[#「へんば」に傍線](みっちゃ[#「みっちゃ」に傍線]の一名。南区船場の口合ひ)火事|発《イ》て、みっちゃくちゃ(むちゃくちゃを綟る)に焼けた。
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みっちゃ[#「みっちゃ」に傍線]を更に、みっちゃくちゃ[#「みっちゃくちゃ」に傍線]とも言ふのである。
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みっちゃ[#「みっちゃ」に傍線]/\、どみっちゃ。ひきずりみっちゃ[#「み
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