「をぞ」と言ふが、やはり仮名の変化でうつめ[#「うつめ」に傍線]・をつめ[#「をつめ」に傍線]だと思ふ。魂を「をちふらせる」役であらう。出現する意からうつ[#「うつ」に傍線]・うつし[#「うつし」に傍線]となつて、現実的な事を言ひ、うつゝ[#「うつゝ」に傍線]などに変つたことは、まさ[#「まさ」に傍線]・まさし[#「まさし」に傍線]の、元は神意の表出に言ふのと同じい。をとこ[#「をとこ」に傍線]・をとめ[#「をとめ」に傍線]に対しては、天のますひと[#「天のますひと」に傍線]がある。うつる[#「うつる」に傍線]・うつす[#「うつす」に傍線]も神の人に憑つての出現であり、うち[#「うち」に傍線](>氏)も外来神霊を血族伝承によつてつぐことが行はれてからの語で、其を続けて受ける団体の順序がつぎ[#「つぎ」に傍線]と言ふ具体的なのに、対してゐる。物部の八十氏川の「氏」も、実は氏多きを言ふのではなくうち[#「うち」に傍線]を多く持つことであらうか。
血族の総体を一貫して筋と言ひ、其義から分化して線・点・処などに用ゐる。沖縄でもやはりすでに[#「すでに」に傍線]は「完全に」の意である。すつ[#「
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