てゐる。
[#3字下げ]賤民の文学[#「賤民の文学」は大見出し]
[#5字下げ]一 海語部芸術の風化[#「一 海語部芸術の風化」は中見出し]
最新しく宮廷に入つた海語部《アマガタリベ》の物語は、諸氏・諸国の物語をとり容れて、此を集成した。
其は種類も多様で、安曇《アヅミ》や海部《アマベ》に関係のない詞章も多かつたことは明らかである。此語部の物語は、在来の物に比べると、曲節も、内容も、副演出も遥かに進歩してゐて、芸術意識も出て来て居たらしく思はれる。朝妻[#(ノ)]手人《テビト》龍麻呂が雑戸を免ぜられて、天語[#(ノ)]連の姓を賜はつた(続紀養老三年)のは、其芸を採用する為であつて、部曲制度の厳重な時代ではあつたが、官命で転職させて、相応した姓を与へたのである。
海部の民は、此列島国に渡来して以来、幾代とも知れぬ移居流離の生活の後、或者はやつと定住した。さうした流民団は、海部伝来の信仰を宣伝する事を本位とする者が出来て来た。海人部《アマベ》の上流子弟で、神祇官に召された者が、海部駈使丁《アマハセヅカヒ》であり、其が卜部にもなつた事は、既に述べた。さうして、護詞《イハヒゴト》をほか
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