末に到るまで、諸国を窺ひ歩いた。さうして、土地或は勤王の主を得て、大名・小名或は家人・非御家人などの郷士としておちついた。
其位置を得なかつた者や、戦国に職を失うた者は、或は町住みして、部下を家々に住み込ませる人入れ稼業となり、或はかぶき者[#「かぶき者」に傍線]として、自由を誇示して廻つた。併し、いづれも、呪力或は芸道を、一方に持つて居た。かう言ふ人々及び其余流を汲む者の間から、演劇が生れ、戯曲が作られ、舞踊が案出せられ、小説が描かれ始めた。世を経ても、長く残つたのは、放蕩・豪華・暴虐・淫靡の痕跡であつた。
ことに、著しく漸層的に深まつて行つたのは、歌舞妓芝居に於けるかぶき味[#「かぶき味」に傍線]であつた。時代を経て、生活は変つても、淫靡・残虐は、実生活以上に誇張せられて行つた。他の古来の芸人階級は、それ/″\位置を高めて行つても、この俳優連衆ばかりは、江戸期が終つても、未だ細工[#「細工」に傍線]・さんか[#「さんか」に傍線]の徒と等しい賤称と冷遇とを受けて居た。此はかぶき者[#「かぶき者」に傍線]としての、戦国の遺民と言ふので、厭はれ隔離せられた風が変つて、風教を害《そこな》ふ
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