踏歌|節会《せちゑ》のことほぎ[#「ことほぎ」に傍線]に出る卜部たちや、田楽師等の異装にも、まだ上の上が出て来たのだ。
田楽が盛んになつてから、とりわけ突拍子もない風をする様になつた。田楽師に関係の深い祇園会の、神人・官奴などの渡御の風流などになると、年々殆ど止りが知れぬ程だつた。祇園祭りや祇園ばやしなどが、国々に、益《ますます》盛んになつて行くに連れて、物見の人までが、我も/\と異風をして出かけた。竟《つひ》に、日常の外出にさへ行はれ出した。戦国の若い武士の趣味には叶ふ筈である。大きく、あらつぽくて、華美で、はいから[#「はいから」に傍線]で、性欲的でもあると言うた、目につく服装ばかりに凝つた。此には念仏聖などが殊に流行を煽つた様である。呪師の目を眩す装ひをついだ田楽師、其後を承けた念仏芸人である。
若い武家の無条件で娯《たのし》めるのは、幸若舞であつた。舞役者の若衆の外出の服装や姿態が、変生男子風の優美を標準とした男色の傾向を一変した。
以前、風流《フリウ》と言うた語《ことば》に代る語が、どこの武家の国から現れたものか、戦国頃から流行し出した。かぶく[#「かぶく」に傍線]と言ふ語が
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