其である。此方言らしい語が、新しい、印象的な、壮快で、性的で、近代的である服装や、ふるまひを表すのに、自由な情調を盛り上げた。かぶく[#「かぶく」に傍線]・かぶかう[#「かぶかう」に傍線]・かぶき[#「かぶき」に傍線]など言ふ変化の具つたのも、固定したふりう[#「ふりう」に傍線]よりは自在であつた。
此語が現れてから、かぶきぶり[#「かぶきぶり」に傍線]は段々内容を拡げて行つた。そして、恣《ほしいまま》にかぶき[#「かぶき」に傍線]まくつたのは、唱門師《シヨモジン》及び其中に身を投じた武家たちであつた。彼等は、かぶきぶり[#「かぶきぶり」に傍線]を発揮する為に、盛んに外出をし、歩くにも六方法師の練りぶり[#「練りぶり」に傍線]をまね、後に江戸の丹前ぶりを分化した六方で、道を濶歩して口論・喧嘩のあくたいぶり[#「あくたいぶり」に傍線]や、立ちあひぶり[#「立ちあひぶり」に傍線]に、理想的にかぶかう[#「かぶかう」に傍線]とした。名護屋山三郎の、友人と争うて死んだのも、かうしたかぶき[#「かぶき」に傍線]趣味に殉じたのである。
幸若の様に固定しない念仏の方は、演奏種目を幾らでも増すことが出
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