牽強附会になるので、訣らない限りは放つて置くより為方《シカタ》がないですから、放つて置いたのですけれども、どうも関係がありさうです。このくさつゝみ[#「くさつゝみ」に傍線]と言ふ言葉は、くさつゝみ[#「くさつゝみ」に傍線]・やまひ[#「やまひ」に傍線]とかゝつて行く言葉で、枕詞ですが、何故、くさつゝみ[#「くさつゝみ」に傍線]がやまひ[#「やまひ」に傍線]の枕詞なのかは訣りません。近年、柳田先生は、方言研究に非常に情熱を持たれまして、方言研究の流行と言ふものを起されました。流行の頂上へ登り詰めて、この頃本格的の研究時期に這入つてる訣でせう。――併し、それと同時に先生は研究をやめて、他の研究の方へ移つてしまはれるのですけれども、眷族共は残つて研究してゐる訣です(笑声)。どうも、柳田先生なんて言ふ方の後の者は災難です。けれども、世間ではさうではない。或は方言研究の流行は今が頂上の時代です。それから先生は昔話の研究の方に行かれたのです。昔話の研究でも、きつと研究の奨励をして他に行かれるに違ひない。さう言ふやうに動いて行かれた後は、非常に学問的の意味がありますから、見てゐるのですけれども――先
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