出来る。このおひら[#「おひら」に傍線]様は、其巫女の信仰形式の変るに従つて、姿をあらためてくる事もあつたに相違ない。譬へば、熊野の巫女が、仏教式に傾いた場合には、遊ばすべき人形《ヒトガタ》の代りに、仏像を以てする様になつた事もあつた、と考へてよさゝうだ。図――武蔵国西多摩郡霞村字今井吉田兼吉氏所蔵のもの――に見えてゐるおしら[#「おしら」に傍線]様の如きは、馬と女体とを備へた仏像であるが故に、おひら[#「おひら」に傍線]様の要素を備へたものと見て、或部分の巫女の間に、信仰の行はれた事があつたのであらう。
[#「武蔵西多摩のおひら様 撮影・村上静文氏」のキャプション付きの写真(fig18396_01.png)入る]
[#「おひら様(帝室博物館蔵) 小田内通久氏写生」のキャプション付きの図(fig18396_02.png)入る]
[#「薩摩雛(帝室博物館蔵)」のキャプション付きの写真(fig18396_03.png)入る]
[#「三河雛(帝室博物館蔵)」のキャプション付きの写真(fig18396_04.png)入る]
私は、ひゝな[#「ひゝな」に傍線]の家と称するものは、或家のひな[#「
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