ひな」に傍線]型であると前に言うたが、茲に於ても、其をもう一度言ひたい。ひゝな[#「ひゝな」に傍線]の家は、ひゝな[#「ひゝな」に傍線]の宮・寺であると共に、ひゝな[#「ひゝな」に傍線]によつて祝福せられ、或は代表せらるべき人の家のひな[#「ひな」に傍線]型である。溯つて考へれば、ひゝな[#「ひゝな」に傍線]の一つの容《イ》れ物《モノ》であつた。謂はゞほかゐ[#「ほかゐ」に傍線]の様なものから次第に発達して、遂に内裏《ダイリ》の様な形にまで、変つて来たのだと思ふ。
此おひら[#「おひら」に傍線]様の片一方だけについての記録が、更級日記の初めに見えて居るをみな[#「をみな」に傍線]神である。名前から見ても、男神に対して居る人形である事が、想像出来る。此人形が、時としては一対になり、時としては単独で、家庭に祀られて、或は恐れられ、或は馴じまれて居つた。さうして、追ひ/\に此から、玩びの人形と言ふ意味をも、分化して来たのである。
単に人形の歴史だけについて言ふも、従来考へて居つた様に、単純には解決の出来ない、幾つもの要素がある。私の只今の考へに、最近い説を仮りに言ふとしたら、ひな[#「ひな」
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