/\ある。よび茶屋の女房を言ふ事もあり、おき屋の廻しの女を斥《サ》しても居る。くわしや[#「くわしや」に傍点]を遣り手とも言うてゐるが、後にはくわしや[#「くわしや」に傍点]よりも、やりて[#「やりて」に傍点]が行はれた。さうして、中年女を聯想したくわしや[#「くわしや」に傍点]も、やりて[#「やりて」に傍点]と替ると、婆と合点する程になつた。くわしや[#「くわしや」に傍点]の字は、花車を宛てゝゐるが、実は火車であらう。人を捉へて、引きこむ様からの名であらう。おき屋から出て、よび屋を構へたのをも、やはりくわしや[#「くわしや」に傍点]と呼んだのであらう。芝居に入つて「花車形」といはれたのは、唯の女形のふけ役の総名であつた。
[#「右ノ圖河童寫眞深川木場ニテ捕所ノモノナリ…」のキャプション付きの河童の図(fig18395_07.png)入る]
手の抜ける水妖は、あいぬ[#「あいぬ」に傍線]の間にもあつた。みんつち[#「みんつち」に傍点]と言ふ。形は違ふが、河童に当るものである。金田一京助先生は、手の抜け易い事を、草人形《クサヒトガタ》の変化《ヘンゲ》であるからだ、と説明して居られた。藁人
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