」に傍線]の転訛とも考へ得られる上に、切つても切れぬ穂積・鈴木二氏の関係に、又一つの結び玉を作る訣になる。尚、遠藤冬花氏の精査を煩したいと思ふ。
hot については、私は二つの考案を立てゝ見た。即、一つはそほど[#「そほど」に傍線]と、他の一つはぼんてん[#「ぼんてん」に傍線]と関係があるのでは無いか、といふことである。そほど[#「そほど」に傍線]を案山子だとすることは通説であつて、彼の山田の久延毘古《クエビコ》を以て、案山子のことゝすれば、なるほど、足は往かねども天下のことを知る、といふ本文の擬人法にも叶ふ様であるが、仮に、こつくりさん[#「こつくりさん」に傍線]の如き形体のものであるにしても、たか/″\人造の鳥威しの類を些し、神聖化し過ぎた様な気がする。それかと言つて、国学以前から伝習して来た、俳諧者流の添水《ソウヅ》説も、頗、恠しいものである。
私の稲むらを以てそほど[#「そほど」に傍線]とし、或はそほど[#「そほど」に傍線]の依る処とする考へは、勿論、方言と古語との研究から、更に有力な加勢を得て来なければならぬものであるが、前掲の如くぼと[#「ぼと」に傍線]と濁音になつて居るの
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