3水準1−92−75]それは彼の徳でない、両乳の間と隠密処に善き相があるに因ると教え、その後またその※[#「女+息」、第4水準2−5−70]に姑の事を問うと、実の母のごとく愛しくれると答うるを聞き、それは姑に善い相がある故と告げて去った。ほど経て姑と※[#「女+息」、第4水準2−5−70]と浴して躯《からだ》を相《あい》摺《す》り拭《ぬぐ》うとて窃《ひそ》かに観《み》るに、※[#「烏+おおざと」、第3水準1−92−75]陀夷が言った通りの相あり。その後姑と※[#「女+息」、第4水準2−5−70]と喧嘩《けんか》に際し、姑まず※[#「女+息」、第4水準2−5−70]に向いこの姦婦《かんぷ》めと罵ると、誓言してそんな覚えなしと言い張る。姑すかさず、もし覚えなくんば他人が汝の隠処に黶等あるを知ろうはずなしという。※[#「女+息」、第4水準2−5−70]またそんならそっちも姦通したに相違ないとてその陰相を語る、二人とも変な事と気付いて懺謝し、誰が汝に相を告げたかと相問うと、いずれも※[#「烏+おおざと」、第3水準1−92−75]陀夷から聞いたと答え、大徳何に因ってことさらに我らを悩ませるぞと憤
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