て王に呈す。それには予《かね》て着た本人の住所と父の名を書き付け居る。王一々これを嗅《か》いで汗の香|好《よ》き娘は強壮と知って宮に納《い》れ、好からぬはその絹衣を侍臣どもに渡すと、侍臣各々王から受けた衣に書き付けた名の娘を妻として伴《つ》れ去ったので、アラカン王は代々美貌よりも香好き女を貴んだのだ(一五八八年版、ラムシオの『航記紀行全集《ナヴィガシヨン・エト・ヴィアッジ》』一巻三一六頁)。インドで女をその身の香臭で四等に別つ。最上は蓮花《れんげ》、その次は余の花、次は酒、次は魚だ(一八九一年版、ラ・メーレッス仏訳『カマ・ストラ』一四頁)。愛の神カマ、五種の芳花もて飾った矢を放って人を愛染す。その一なる瞻蔔迦《ちゃむばか》の花香|能《よ》く人心を蕩《とろ》かす。故に節会《せちえ》をその花下に開き、青年男女をして誦歌相|誘《いざな》わしむ。大日如来が香華燈塗の四菩薩を出して四仏を供養するは上に述べた。『維摩経《ゆいまぎょう》』には聚香世界の香積仏が微妙の香を以て衆生を化度し、その世界の諸菩薩が、娑婆《しゃば》世界の衆生剛強度しがたき故、釈尊が当り強い言語で伝道すると聞いて呆《あき》れる一
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