う)。〈内臣また好んで牛驢不典の物を吃う、挽口というはすなわち牝具なり、挽手というはすなわち牡具なり、また羊白腰とはすなわち外腎肉なり、白牡馬の卵に至りてもっとも珍奇と為し、竜卵という〉(劉若愚の『四朝宮史酌中志』巻二十)。ロンドンで浜口担氏と料理屋に食した時、給仕人持ち来た献立書を見て、分らぬなりに予が甘麪麭《スイートブレット》とある物を注文し、いよいよ持ち来た皿を見ると、麪麭《パン》らしく見えず、蒲鉾《かまぼこ》様に円く豆腐ごとく白浄な柔らかなもの故、これは麪麭でないと叱ると、いかにも麪麭でないが貴命通り甘麪麭《スイートブレット》だと言い張り、二、三度言い争う。亭主|予《かね》て予の気短きを知れば、給仕人が聞き違うた体に言い做《な》し、皿を引き将《も》て去らんとするを気の毒がり、浜口氏が自分引き取りて食べ試みると奇妙に旨《うま》いとて、予に半分くれた。予食べて見るに味わい絶佳だから、間違いはその方の不調法ながら旨い物を食わせた段感賞すと減らず口|利《き》いて逃げて来た。翌日近処で心安かったから亭主に会って、あれは全体何で拵《こしら》えたものかと問うと、牝牛の陰部だと答えた。しかるに
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