上りて帝釈ために座を分つに慊《あきた》らず、これを滅ぼさんと企てたが最後たちまち天から落ちて悩死した譚(ラウス英訳『仏本生譚《ジャータカ》』二五八)に類す。ツェツェス説に鵺ベレロフォンに火を吐き掛けんとした時、ベ予《かね》て鋒《ほこさき》に鉛を付け置いた鎗をその口に突っ込み、鉛|鎔《と》けて鵺を焼き殺したと。また後世飛馬ペガソスを文芸の女神団ムーサの使物とす。ムーサ九人ピエルスの九女と競い歌うて勝った時、ヘリコン山歓んで飛び上がるを飛馬が地上へ蹴戻した、蹄の跡より噴泉出でその水を飲む人文才たちまち煥発《かんぱつ》す、その泉を馬泉《ヒッポクレネ》というと。インドにも『リグヴェダ』に載るアグニの馬は前足より霊香味《アムブロシヤ》を出し、アスヴィナウの馬は蹄下より酒を出して百壺を盈《みて》る由。支那では〈易州の馬※[#「足へん+鉋のつくり」、第3水準1−92−34]泉、相伝う、唐の太宗高麗を征し、ここに駐蹕《ちゅうひつ》す、馬|※[#「足へん+鉋のつくり」、第3水準1−92−34]《あが》きて泉を得たり、故に名づく、また馬※[#「足へん+鉋のつくり」、第3水準1−92−34]泉あり、広昌県の
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