てるのがいい気持よ。それから砂浜の上に寝転んだり、細帯一つで室の中にごろごろしたりして、それは呑気よ。帰って来ると、帯をちゃんとしめたりしていなけりゃならないので、何だか窮屈で仕様がないわ。身体がだらしなくなってしまうのね。……こんな坐り方なんかして、御免なさい。」
そして彼女は白い歯を見せて微笑んだ。
実際彼女のうちには、妙に締りのない明けっ放しの所があった。以前は、如何に距てない温情を示す時でも、其処に一種の清らかなつつましさがあったけれど、今では、その清らかさが変に濁りを帯び、つつましさがしどけないものに被われていた。
周平はその変化に眼を見張り、次には眼を伏せてしまった。頭の中に描いていた彼女は、いつしか夢のように消え失せて、凡てをさらけ出したような露《あらわ》な彼女が、余りにまざまざと眼の前に在ったのである。一寸手を伸したらすぐに触れそうな彼女だった。彼は不安な誘惑を感じた。恐ろしくなった。明日あたり下宿に帰ろうかと云い出してみた。
「あら、どうして?」と保子は云った。「横田が帰るまでいてもいいんでしょう。ね、そうなさいよ。私が帰って来たからすぐに出て行くなんて、変じゃ
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