ていき、一寸その額に掌をあててみ、その顔をじっと眺め、それから立ち上った。
食事の間、女中が隆吉の側についてることになった。食卓の上には麦酒が一本のっていた。
「私も一杯飲んでみよう。」と保子は云って、ぽつりと小さな皺を眉根に寄せながら、なみなみと注いだコップに唇をあてた。
「あちらでは、どんなに動き廻っても平気だったけれど、東京に帰ってくると、身体がだるくて仕様がないわ。やはり海岸はいいのね。……あなたも少し行ってきちゃどう?」
そして彼女はまじまじと周平の顔を見戍った[#「見戍った」は底本では「見戌った」]。
そういう彼女には、身体の線がなよなよとくずれて、持て余したような柔かな肉体があった。それを彼女は横坐りにした腰の上にくねらして、片腕をまくってみせたりした。
「こんなに真黒になってよ。海にはいった初め二三日のうちは、ひりひりして仕方なかったけれど、それからむやみと痒くなって、掻く度に薄い皮がむけるのよ」
肩の上で一線を劃して、それから奥は真白に海水着の跡がついていた。
「奥さんは泳げるんですか。」と周平は尋ねてみた。
「ほんの少しばかり。でも泳ぐのは第二で、波にもまれ
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