、僕もよく知っている。それから、横田さんの奥さんとの関係も、僕は或る点まで理解してるつもりだ。然し、それが両方共、肉体的関係に、或はそれに近いものになってるとは、夢にも思わなかった。」
周平は危く叫び声を立てようとした。がそれを強いて抑えつけた。村田は云い続けていた。
「僕は君を信じていたんだ。お清とのことは単なる一時の遊戯に過ぎないし、奥さんとのことは単なる親しみに過ぎないと、あくまで信じていた。それが……噂の通りだと君自身で肯定するなら、僕はもう何にも云わない。お清とのことだけならまだいい。然し奥さんとのことは……それも純粋な愛ならまだ許せる点もあるが、一方にお清という者がありながら、而も非常な恩を受けてる奥さんと……僕は考えても恐ろしい気がする。よくも君は図々しくそんなことが出来たもんだ。自分で恐ろしいとは思わないのか。」
然し周平はもう、村田の言葉に耳を貸してはいなかった。思いもかけない保子との噂に心が顛倒して、それを抑えれば抑えるほど、呪わしい憤りが湧き上ってきた。保子に道ならぬ恋をしてるという意識が、更にそれを煽り立てた。時々耳に響く村田の鋭い言葉が、その気持に釘を打ち
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