んぐり》を拾って駈けてきた。
「これで中《あて》っこしようか。」
近くに標的《まと》を定めて投げてみたが、なかなか中らなかった。それでも、隆吉は二三度あてた。
弾が無くなってつまらなそうな顔をしてる隆吉を、周平はいきなり引寄せて、膝の上に腰掛けさした。痩せた軽い身体だった。隆吉は変にもじもじしていたが、ふいに飛びのいて、周平の背中につかまってきた。周平はそれを負《おぶ》って、のっそり歩きだした。
「僕ね、お父さんにもお母さんにも負《おぶ》さったことがないんだって。」
そして隆吉は肩の手にぐっと力を入れた。周平が黙ってると、暫くして低い声で云った。
「人の前でお父さんやお母さんのことを云っちゃいけないんだって、本当かしら?」
「誰がそんなことを云ったの。」
「お祖母《ばあ》さんが云ったよ。」
「そう。だが僕にならいくら云ってもいいよ。」
然し隆吉はもう何とも云わなかった。手と足とで彼の背中に強くしがみついてきた。彼はそれを長く下《おろ》さなかった。急な坂の曲りくねった小径を下りつくして、息が苦しくなった時に、後ろへ廻した手をゆるめた。隆吉はぴょんと飛び下りて、ひょろ長い首で重そう
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