「今どうしてるの。」
「二人共お嫁に行って、仕合せに暮してるそうよ。……私はもう長く逢ったことがないから、よく知らないけれど。」
「初婚かい。」
「ええ、早く結婚しちゃったのよ。」
「何処で?」
「名古屋で。名古屋が私の故郷よ。」
「それじゃ、君に妹があるかい。」
「私は末っ児よ。」
「君の名は高井清子といったね。」
 彼女は笑い出した。笑いながら周平の腕につかまってきて、自棄になったように揺ぶった。
「しっかりなさいよ、馬鹿々々しい!」
「いや、これから追々本当の問題に触れてくるんだ。」
 と云ったが、それが自分でも変に調子外れの気がして、彼はぼんやりしてしまった。話の緒《いとぐち》が分らなくなった。それを強いて云い進んだ。
「君は以前に、或る人と同棲していて、子供を産んだことがあるだろう。」
 怒鳴りつけるように云い捨てた彼の言葉が消えてしまってから、暫くして、お清は落着いた調子で答えた。
「ええ、あるわ。」
 周平はぎくりとして振り向いたが、彼女の顔はただ真白な冷たさで静まり返っていた。
「それじゃ、その子供が今どうしてるか知ってるかい。」と周平は急き込んで尋ねた。
「知ってるわ
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