》に沿い、万世橋の方へ行ってみたが、側を通り過ぐる電車の響がうるさくて、ふいと左の横町に曲り込んだ。お清は少し離れてついて来たが、人通りが少くなると、肩がすれすれになるくらいに寄ってきた。
「昨晩《ゆうべ》あれから可笑《おか》しかったわ。」
「何が?」
「竹内さんがね、やっぱり私達の話を聞いてたとみえるわ。何処へ行く約束をしたんだいと聞くんでしょう。そんなことを聞く人があるものですかとつき放してやると、そんなら、君達はいつ頃からそういう仲になったんだい、ですって。」
 周平は何とも云わないで振向いてみた。彼女は澄して云い続けた。
「あんまりだから、私白ばっくれて、もうずっと前からよ、今迄気がつかないなんて、あなたも随分ぼんやりね、と云ってやったの。すると此度は、前からっていつ頃だいと、いやにしつっこく聞くんでしょう。いつ頃からだか覚えていないと答えると、暫く考えこんでから、急に真面目になって、それじゃ僕は井上君に忠告してやらなけりゃならない、ですって。随分人を馬鹿にしてるわね。」
「それから?」と周平は少し気になって尋ねた。
 お清は心もち肩を峙てて霧の中を透して見るようにしながら、五
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