一体幾歳《いくつ》になるんだろう。」と周平は突然尋ねた。
「さあ、幾歳かな」と村田はどうでもいいという返辞をした。
「僕には、二十《はたち》くらいに見える時もあれば、また大変|老《ふ》けて、二十五六にも見える時があるんだが……。」
「じゃあその間の二十二三にしておけばいいじゃないか。」
然し周平にとっては、彼女の年齢が一つの問題だった。英子と彼女と同一人だとするならば、どうしても彼女が三十歳近くでなければならなかった、隆吉という子があるのだから。と云って、彼女を三十歳か少くとも二十六七歳にするには、あまり可哀そうな気もした。顔の上半分が老けてるにも拘らず、下半分に現われてる溌溂とした若さは、単なる扮飾だけで得られるものとは思えなかった。
二人はもう別に話をするでもなく、黙って杯の数を重ねた。
お清がまたやって来た時、村田はふと思い出したように尋ねた。
「君は一体|幾歳《いくつ》になるんだい。井上が大変それを気にしてたぜ。」
「そう。幾歳に見えて?」
「井上の眼には、丁度だってさ。」
「丁度、嬉しいわね。」
「冗談じゃない、桁《けた》が違うんだ。」
「え?」
「桁……というんじゃな
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