、いやに頑丈らしく下品に見えた。額から蟀谷《こめかみ》へかけた小皺が、脂を浮かして気味悪く光っていた。
 周平は眼を外らして杯を取り上げた。
「特別にお酌してあげるわ。」とお清は云った。
「特別にでなくても普通にで沢山だよ。」
「分らない人ね。」
 ぐるりと顔をねじ向けて、顎と口とでつんと澄した、その様子に、周平は突然心を惹かされた。
「おい、村田、」と彼は云った、「二人がかりでお清ちゃんを酔い潰してみようじゃないか。」
「そう、」とお清がそれを引取った、「その代りに介抱して下さるわね。」
 彼女は杯を受けて、それからなお二三杯飲んでいたが、突然何か思い出したらしく、慌てて立ち上った。
「待っていらっしゃい。今じきに来るから。」
 扉をがたりと閉めて出て行った。
「ひどい奴だね。」と村田は云った。
 それが彼女の態度のことなのか扉の閉め方なのか、周平には分らなかったので、黙って見返すと、村田はまた云った。
「初めに戻って、二人でゆっくり飲もう。」
 然し、お清が立去ってしまった後の空虚が、何となく室の中を淋しくなしていた。周平は黙って杯を手にしながら、彼女のことを考えた。
「君、お清は
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