くるりと動く眼が、周平の顔を眺め、次に村田の顔を眺めた。
「云えないから秘密なのさ。」と村田は云った。
「じゃあ私、いつまでも此処から出て行かない。」
「そいつは有難い。君に一晩中取持って貰えば本望だね。此処から出ようたってもう出さないぜ。」
「私もあなた方二人に介抱して貰えば本望だわ。出そうたって出るものですか。」
「そうくるだろうと思っていたよ。」
長椅子の背に身をもたして、がっくり後に反らしていた頭を、彼女は俄にもたげて、村田の方をじっと見た。
「何が?」
「いやこっちのことだよ。……秘密の相談という餌でお清ちゃんを釣ったわけさ。」
「そう。私も一寸釣られてみたかったのさ。」
語尾を村田のに真似て一寸気張ってみせたが、それからほーっと息をした。
「ああ酔った。」
「誰にそんなに酔わされたんだい。」
彼女は何とも答えないで、くすりと笑った。そしてじっと電燈の光りを仰いだ。
「この電気は妙に薄暗いわね。」
「今にはじまったことじゃないよ。」
「そうかしら。」
おとなしく受けておいて、彼女はまた椅子の背に頭を反らした。
その横顔を、周平はじっと眺めた。眉根まで通ってる鼻つきが
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