……。」
周平は説明に困った。今後の生活を確かめにやって来たのだけれど、横田の方を止すかも知れないという口実は考えていなかったのである。然し、それからでなければ問題にはいっていけそうになかった。彼は自分の迂濶さに気づいた。さりとて、保子のことをうち明けられもしなかった。眼を伏せて考え込んでると、野村の方から尋ねかけてきた。
「何か気まずいことでもあるのですか。」
「別にそういう訳でもないんですが。」と周平は答えた。
「実はね、君に相談しようと思ってたことがあるんです。」
周平は黙って野村の顔を見上げた。
「今月のはじめ、横田さんの家へ君を訪ねていったことがあるでしょう。あの時実は君に話があったんです。然し君が、変に何か考え込んで、気乗りのしない風をしていたものだから、それに急な話でもなかったから、僕は黙って帰って来たんですが……。何か心配なことでも起ったのですか。」
「どんな話です?」と周平は向うの問いに構わず尋ねた。
野村はなかなかそれを云い出さなかった。月々どれ位でやってゆけるかとか、きりつめたらどうだとか、そんなことに話を向けていった。その眼には、何だか気の毒そうな色が浮ん
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