フ身を警戒しに行きたがった。しかしそこまで行くだけの金がなかった。クリストフを送っていった停車場から帰ってきて、彼は家に伝わってる多少の宝石を金に代えようと決心した。もう質屋はしまってる時刻だし、つぎの汽車で出発したくはあったので、町の骨董《こっとう》屋へ行こうとした。すると階段でモークに出会った。モークは彼の考えを聞くと、なぜ自分に話してはくれなかったかと心からの恨みを示した。必要な金高を無理に受け取らした。自分が喜んで二人の世話をしたがってるのに、オリヴィエは時計を入質し書物を売ってクリストフの旅費をこしらえたと考えると、うらめしかった。そして二人の助けとなりたい熱心のあまりに、自分をもクリストフのもとへ連れて行ってくれと言い出した。それを思い切らせるのにオリヴィエはたいへん骨が折れた。
オリヴィエが来たことは、クリストフのためによかった。クリストフはその一日を、永眠してる母と二人きりで失望落胆のうちに過ごした。世話をしてくれてた隣の女が来て、多少のめんどうをみてくれ、それから帰っていって、もうふたたび姿を見せなかった。事もない痛ましい静寂のうちに、時が過ぎていった。クリストフも
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