ィろして、大声に談笑しながら煙草《たばこ》を吹かしていた。ルイザにはその二人の姿は見えなかった。けれど、その日夫が家にいることや、祖父が上|機嫌《きげん》であることなどが、非常にうれしかった。彼女自身は下の室にいて、食事の支度をしていた。りっぱな御馳走《ごちそう》だった。彼女はそれを自分の眼の玉ほど大事に見守っていた。びっくりするようなものがあった。大栗《おおぐり》の菓子があった。子供がさぞ喜びの声をたてるだろうと、聞かないうちから楽しんでいた……。子供、彼はどこにいるのかしら? 階上《うえ》にいるのだった。その音が聞こえていた。ピアノを稽古《けいこ》していた。何をひいてるのか彼女にはわからなかった。けれど、そのいつもの小さな妙音を耳にしたり、子供がそこにごくおとなしくすわってるのがわかったりするのが、彼女にはうれしかった……。なんという美《うる》わしい日だろう! 馬車の陽気な鈴音が道を通っていた……。ああ実にいい! そして焼き肉は? 窓から外を見てる間に焦げやしなかったかしら。ごく好きではあるがまた恐《こわ》くもある祖父から、怒られ叱《しか》られはすまいかと、彼女はびくびくしていた…
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