謔ュありません。もしあなたが来られるものなら、も一度会いたくてなりません。あなたに接吻《せっぷん》します。
[#ここで字下げ終わり]
[#地から2字上げ]母より


 クリストフは呻《うめ》き声をたてた。オリヴィエはびっくりして駆けてきた。クリストフは口がきけなくて、テーブルの上の手紙をさし示した。彼はなお呻き声をつづけて、オリヴィエが言ってることを耳にも入れなかった。オリヴィエは一目で手紙を読み取って、彼を落ち着かせようとした。彼は上衣を置いてる寝台へ駆け寄って、大急ぎでそれを引っ掛け、略式カラーもつけないで――(指があまり震えてつけられなかった)――外へ出かけた。オリヴィエは階段の上で彼に追っついた。彼は何をするつもりなのか。手当たりしだいの汽車で出発するつもりなのか。でも晩にならなければ汽車はない。停車場で待つより家で待ってるほうがましだ。第一必要な金さえもってるのか。――二人はポケットを捜した。そして二人がもってる全部を集めても、三十フランばかりにしかならなかった。九月のことだったから、ヘヒトもアルノー夫妻もすべての友人らが、パリーの外に出かけていた。便りの者は一人もいなかった
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