B
「そら、また家ができ上がりましたぜ。」
暴風雨は、幸いにも、襲ってきたときと同じく速やかに過ぎ去った。官房の非公式な報道は、晴雨計のように、天気の回復を告げた。新聞紙の荒犬は、また犬小屋の中に潜んだ。暫時《ざんじ》のうちに人々の魂の張りはゆるんだ。夏の晩だった。クリストフは息を切らして、吉報をオリヴィエにもたらしてきた。彼はうれしそうに大きく呼吸をしていた。オリヴィエは微笑《ほほえ》みながらもやや悲しげに彼をながめた。そして心にかかってる一事をあえて尋ねかねた。彼はただ言った。
「どうだい、意見の合わなかった人たちが皆団結したのを、君は見たじゃないか。」
「ああ見たよ。」とクリストフは上|機嫌《きげん》で言った。「君たちは道化役者だ。たがいに怒鳴り合いながら、心の底では皆一致してる。」
「君はそれを喜んでるようだね。」とオリヴィエは言った。
「どうして喜ばずにおれるものか。僕に対抗してなされた団結ではあっても……。なあに、僕のほうにも十分力はある……。それにまた、僕たちを巻き込む流れ、心のうちに眼覚《めざ》めてくる悪魔、それを感ずるのはうれしいことだ。」
「僕にはそれが恐ろしい
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