チとも》だと思いますわ。」
少佐はまごついて言った。
「そりゃひどい!……だが結局、道理であろうがあるまいが、われわれは今のままで満足だ。あんな人たちに会う必要はない。ねえお前、そうじゃないか。」
「いいえ、お父《とう》様、」と彼女は答えた。「お会いしたほうが私はうれしゅうございますわ。」
少佐は口をつぐんで、聞こえなかったようなふうをした。が彼自身でも、様子にはそれと見せたくなかったが、クリストフの影響をかなり感じていた。彼は批判の偏狭さと気質の猛烈さとにもかかわらず、正しい精神と寛大な心とをそなえていた。彼はクリストフが好きで、その率直さと精神の健全さとを好んでいて、クリストフがドイツ人であるのがしばしば遺憾でたまらなかった。彼はクリストフとの議論中によく憤激したが、それでもなおそういう議論を求めていた。そしてクリストフの理論は彼に働きかけずにはいなかった。彼はそのことを承認すまいと用心していた。ところがある日クリストフは、彼が一冊の書物に読みふけってるのを見出した。彼はその書物をどうしても見せなかった。するとセリーヌは、クリストフを送り出してきて二人きりになると言った。
「お
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