なたの好きなものを信ずるがいい。要するにどの思想もみな同じく尊いんです。そして世には一つの真理しかありません。それは愛し合うということです。」
「それは詩人の言い草です。あなたは人生を見ていません。精神の不一致に苦しめられた多くの家庭を、僕はたくさん知っています。」
「それは十分愛し合っていなかったからです。人は第一に自分が何を欲してるかを知らなければいけません。」
「人生においては意志がすべてをなし得るものではありません。僕がシャブラン嬢と結婚しようと欲しても、それはできないでしょう。」
「なぜでしょうか。」
 アンドレは気がかりな事柄をうち明けた。彼の地位はまだでき上がっていなかった。それに財産もなく、身体も弱かった。そういう事情で結婚していいものかどうか疑っていた。大なる責任問題だ……。愛する者や自分自身を――将来の子供のことは言うまでもなく――不幸に陥《おとしい》れる憂いはないだろうか……。待つほうが――もしくはあきらめるほうが――よくはないか。
 クリストフは肩をそびやかした。
「りっぱな愛し方ですね! 彼女に愛があるのなら、彼女は一身をささげて幸福になるはずです。それから
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