A賤《いや》しい警察事務や、教会堂の財産調べや、労働争議の鎮圧や、権力を得た一派――反僧侶《はんそうりょ》主義の過激な小市民輩――の利益や怨恨《えんこん》のために、残りの国民全部に反対する仕事、それに使用される軍隊の悲しみ、などがあった。なおその上に、新しい植民地軍にたいするこの老アフリカ軍人の嫌悪《けんお》もあった。新しい植民地軍は、「大なるフランス」――海の彼方《かなた》のフランス――の防備を確かにするという名誉と危険とにあずかることを拒む他のフランス人らの、利己心を容赦せんがために、大部分は国民のもっとも下等な分子から徴集されてるのだった。
 クリストフは、右のようなフランスの内紛には差し出口の必要をもたなかった。それは彼に関係した事柄ではなかった。しかし彼は老将校に同感した。戦争にたいする考えはとにかくとして、ただ彼は、軍隊は兵士を作るためのものであって、あたかもりんごの木がりんごを生ずるのと同じだと思っていた。政治家や耽美《たんび》家や社会学者がそれに接《つ》ぎ木されることは、おかしな変形だと思っていた。それでも彼は、この頑健《がんけん》な人が他人に地位を譲ったのが理解できな
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