ノ衰えてゆかなければならないのを見て、同情の念を覚えた。そういう運命に彼がどうしてあきらめ得たかを怪しんだ。そして彼自身に向かってそれを尋ねてみた。少佐は初め、自分の不遇を他国人に説明したがらないらしかった。しかしフランス人というものは饒舌《じょうぜつ》であって、ことに他人を恨むときにそうである。
「現今の軍隊にはいっていたって、僕になんの仕事があるものですか。」と彼は言った。「海軍の者は文学をやってるし、陸軍のものは社会学をやっている。彼らは戦争以外のことならなんでもやっている。しかしもう戦争の準備はしていない。戦争をすまいという準備をしている。戦争哲学をやっている……。戦争哲学! 他日受ける打撃を考えてるなぐられた驢馬《ろば》どもの遊びと同じだ……。屁理屈《へりくつ》を並べたり哲理をこねたりすることは、僕の仕事じゃありません。家の中に引っ込んでカノン(追走曲――大砲)でもこしらえてるほうがましです。」
しかし彼は慎みの念から、もっとも大きな不満は口に出さなかった。上申者への告げ口によって将校らの間に起こる猜疑《さいぎ》、愚昧《ぐまい》邪悪な政治家連の横柄な命令を受ける屈辱、または
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