黷ェわからなかった。すると彼らは気の毒そうに彼女をながめ、頭を振って、また仕事にかかりながら言った。「でも気の毒だなあ、あんなにきれいな娘さんだが……。」
 初めのうちオーベルは、牧師とヴァトレー氏との学殖や上品な態度に気圧《けお》されて、彼らの会話を鵜《う》のみにしながら黙っていた。がしだいに、自分の話を聞いてもらう素朴《そぼく》な喜びに駆られて、会話の中にはいってきた。そして自分の漠然《ばくぜん》たる理論を並べたてた。相手の二人は内心いささか微笑しながら、丁寧に耳を貸してやった。オーベルは有頂天になって、なおそれだけでは満足しなかった。彼はコルネイユ師の限りない我慢を利用し、やがて図にのってきた。苦心|惨澹《さんたん》の原稿を読んできかせまでした。牧師はいつもあきらめて耳を貸していた。そしてさほど退屈してもいなかった。というのは、相手の言葉よりも人間のほうに多く耳傾けていたから。それにまた、気の毒がってるクリストフへ答えたとおりの理由もあった。
「なあに、あの人に限ったことではありません。」
 オーベルはヴァトレー氏とコルネイユ師とをありがたがっていた。そしてこの三人は、たがいに相
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