チて現われた。
 オリヴィエはそれに驚嘆させられた。そして過度の批評癖から彼は、自分の愛する音楽はもう窮極に達してるのだと信じがちだった。ある程度の進歩の後には必然に頽廃《たいはい》が来るという、病的な観念にとらえられていた。自分に生を愛さしてくれたその美《うる》わしい芸術が、突然行きづまって涸渇《こかつ》し地面に吸い込まれてしまいはすまいかと、びくびくしていた。クリストフはそういう意気地《いくじ》ない考えを面白がった。そして物に逆らいたい精神から彼は、自分より以前には何一つでき上がったものはなく、すべてがこれからできるのだと言い出した。オリヴィエはフランスの音楽を例にもち出した。フランスの音楽はある完成さと終局の発展との域に達していて、それから先にはもう何もあり得そうにないのだった。クリストフは肩をそびやかした。
「フランスの音楽だって?……フランスには音楽なんかまだありはしない……。だが君たちフランス人は、いろいろりっぱなものを作ることができるはずだ。ただ君たちはあまり音楽家ではないから、作ろうという気をかつて起こさなかったのだ。ああ僕がもしフランス人だったら!」
 そして彼は、フ
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